我妻教育2

目の前の状況と感情を整理できない。

茫然としたまま、目だけマダムを追う。


マダムは、いつもの誇らしげな笑顔でシチューをよそったお皿を番組ゲストの前に置く。

あたしのこんな視線なんて気づいてもいないよう。


「美味し~!」「さすがマダム座黒!」「野菜の彩りも素敵ですね」


番組ゲストの大絶賛の声に、マダムは誇らしげな笑みを浮かべた。