我妻教育2

元々のレシピで使っていたのは、牛の肩ブロック肉。

野菜はすべてミキサーにかける滑らかなシチュー。

柔らかく煮た塊のお肉をステーキのようにナイフで切りながら食べるビーフシチューのはずだった。


「未礼ちゃん?どうかした?」

ジャスは不思議そうにあたしの顔を覗き込む。


マダムとビーフシチューをガン見して凍りついたまま動けない。

レシピを持つ手が震える。

「…あたしの、お母さんの…」


書き換えられた新しいレシピは、あたしのお母さんのレシピそのまま。


だからもちろん、出来上がったビーフシチューもそっくりそのまま。


嘘でしょ、マダム、何で?何で?