「…ああ」啓志郎くんは、ためらいながらもうなずいた。


「すごくお似合いだよ?家も年も見た目も、全部。

おとぎ話に出てくる王子さまとお姫さまみたいで♪」


食器を洗いながら笑いかけたら、啓志郎くんは眉間にシワを寄せた。


「昨日も伝えたであろう?

私が結婚を望んでいるのは、未礼、そなただと」


「あたしとなんて、たった3ヶ月一緒にいただけじゃん?」


「たった、などではない。あの3ヶ月は、私にとっては宝物だ」


何でこう恥ずかしげもなくはっきり言うかな。


「ありがとう。そう言ってもらえて、すごく嬉しいよ。…でも、」


泣きたいような気持ちになった。