僕のイケナイ先生(→『信じられない彼女ー僕のイケナイ先生』から改題)

その頃-――

ミサの後で、下校する一行の中
に、玲緒奈先生の後を追ってく
る2人の少年が居た。

人懐っこい琢磨少年は、「玲緒
奈先生~!一緒に帰っていいで
すか」と近寄ってきた。

真面目そうな眼鏡君だ。

もう1人の少年は、担当クラス
が違うので、名前は知らない。

やっぱり眼鏡をかけている。

突然、琢磨君が、「先生、Mでし
ょ」と話しかける。

「はっ?M?」

「MとかSとか。流行ってるんで
す。」と少年は、人懐っこく笑
いかけて、話を続けた。

「横山先生は、Sでしょう。どS
だよ。玲緒奈先生いびられてる
んじゃないですか」

結構当ってるものだな…と、そ
んな事を思いながら。

「よく見てるわね。横山先生が
ドSか」と口数少なく答えると
。

「うん。前の代行の先生もやめ
ちゃったんです。横山先生がい
びったんじゃないかって言って
ます」

「みんなで?そうらしいわね」

「でもある子達には人気があ
るんだ」とイケ先を評価する
。

「その子達が、Mっていう事か
しら?」

「とは限らない。横山先生が
選んでいるっていう話もある
し。例えば須藤とか」

初耳だ。具体的に名前まで教え
てくれるのは、情報収集に助か
る。そう思って、

「須藤君という子がファンなの
?」と玲緒奈先生が訊くと。

「まあそういう事ですね。大矢
健という話もあるけど…」と語
尾を少々濁した。

まだ確かじゃないと言いたげに
。

隣りからもう1人の少年が、顔
を出して、「ちゅーさせてくれ
るっていう噂があるんです」と
訴えるように言って。

「僕達は関係ないけど」と付け
加えた。

訴えたいらしい。

玲緒奈先生は、思わずため息を
漏らした。

イケ先、ちゅーの話か…。

「ううむ。一部の子に偏ってい
るのは、よくないですね」と玲
緒奈先生は一言。

ったく、一部の生徒とキスして
話題になってるなんて、どうい
う女王様気取りなんだろう。

ハーレムじゃあるまいし。

「君達、いい事だと思う?」