僕のイケナイ先生(→『信じられない彼女ー僕のイケナイ先生』から改題)

それから、姉貴は、というと。

彼氏のために、おしゃれに忙し
い。

ってか、家には、帰ってきても


お父さんもお母さんも、まだ子
どもだと思っているけど。

姉貴だって、彼氏とHはしてる
関係だ。

僕は、見ちゃった。

姉貴の部屋の妊娠検査薬の箱。

ゴミ箱漁る趣味はないけど、カ
ーラーの箱に隠してやんの。

今の所は、黙っててやろうっと


でもいつか、姉貴に恩を売って
やるんだ。

そんな事思ったりして。

僕は、姉貴にニキビ化粧品だの
ぷるぷるリップグロスの実験台
に使われてたけど、ね。

最近じゃ、必死に抵抗。

でも、このヘアーピンは、気に
入ってるの。

どうかしらん、なんて。

まあ、これが僕んちの家族。

夜露志句っ!

おっと、遅刻、遅刻。

急がなきゃぁ。

「じゃいってきまーす」

健は、トーストを頬張って、学
生鞄を引っ掴むと、急いで家か
ら飛び出して行った。

ちなみに健の家は、副都心から
離れたちょっと郊外にある。

駅の周辺は拓けている方だが、
私鉄沿線で、駅まで走っても5
分はかかる。

近くの駅までの道は舗装されて
いて、両脇には野菜畑や稲の田
んぼが点在している。

それから電車通学。

「後30分、急ぐぜっ」

健は、風を切るように、緑の田
んぼに挟まれた歩道を走ってい
った。