翌日━


あたしはいつも通り家を出た。


今日も蓮は駆け込みで来るのかな…。


あたしは正直蓮に会いたくない。


気づいてしまったから…。


あたしは蓮が好きなんだって。


嫌な態度とってたのは…かまってほしかったんだ…。


15年ずっと一緒。


近すぎて気づかなかっただけなのかな…?


あたしはいったいいつから好きだったんだろ…。


「おはよ!」


え…?


あたしは大きく目を見開いた。


いつも駆け込んでくるはずの蓮が…エレベーターの前にいたから…。


「お…おはよ…。」


あたしは目を蓮から反らして言った。


蓮の顔が見れないよ…。


「…どうしたんだよ。俺が先にいるのがおかしいか?」


あたしは静かにうなずいた。


エレベーターが来てあたしたちは乗る。


「失礼だな~瑞葉は。それより…昨日さ…聞いてた…?」


ちゃんと『おめでとう』って言わなきゃ。


「蓮、陽花ちゃんと付き合うんでしょ?おめでと!」


あたしは笑って言った。


辛いけど…気づくのが遅かったあたしが悪いんだもん。


チーンッ━


エレベーターが1階についた。