『冗談にもほどがあるでしょ。』

『やだ。あたしは帰らないです。』

『なんで?』

先生はどこまで聞いてくるのだろうか。

『嫌だから。』

やばい。なんか涙出そう。

なんでなの。

あたし何も話してないのに。

そう思ったときにはもう遅かった。
涙は止まることを知らずに流れ続けていた。

始めて人の前で泣いちゃったな。

悔しい。
しかも初対面の先生の前で。恥ずかしい。

そう思っていたとき、あたしの頭に柔らかいものがあたっているような気がした。

そう。それは先生の胸だった。

あたしは少しの間先生の胸の中で泣いた。

頭痛いのに先生ったら強く抱きしめてくる。

『うちにおいで。みんなには秘密だからね。』

コクリ。

あたしは頷いて先生の車に乗った。