「お母さん、あの星なんていう星?」
「あれはね、オリオン座って言うんだよ。とっても綺麗でしょ?綺羅(きら)の名前もオリオン座を見て決めたのよ。」
「オリオン座?綺羅オリオン座なの?」
「違うわよ、オリオン座みたいにキラキラ輝いてくれるようにってお父さんと決めたのよ。」
「そっかー!綺羅この名前すきだよ!」
「それは良かったわ。綺羅もオリオン座見たいにキラキラ輝けるような人になるんだよ。」
「うん!」

お母さんとオリオン座を初めて見た5歳の夏。
あのときの記憶は今でもはっきりと覚えている。お母さんは私が小学5年生のときに亡くなってしまった。
あのときの記憶は私の一生の宝物。