着いた所は、だだっ広い部屋だった。

その真ん中に、大きなテーブルと幾つかの椅子が設置されている。

「セキノマエニ名前ガアルノデ、ソノセキニオツキクダサイ…」

また、どこからともなく現れたスクリーンに写し出された。
皆は、呆然と立ち尽くし、テーブルを睨んでいる。

「…“アヤ”、どこかな。」
私は一人、自分の名前を探して。
到底、あらがいようのない指令なら…聞くしか無いんだ。
アヤはほぼ自暴自棄になりつつも、自分を保てている事に驚いていた。

「自分の名前を探すのですよね…」
アヤを見ていたキダが、それに習って自分の名前を探し始めた。

それを見て、他の立ちすくんでいた人達も自分の名前を探し始めた。

「…あった。」
アヤは、やっと自分の名前を見つけ、一旦椅子に何の仕掛けも無いか、確認してから席に着いた。
……私はこんな所で死んでいられない。


そして一つ、おかしな事に気がついた。