先輩。




「『ごめん』ねぇ」

「どういう意味の『ごめん』なんですかね…?」


明らか、何もないって顔じゃなかったあたしの心配をしてか、相談にのってくれた先輩。




「キスはしたかったからした。でも好きじゃないんで、ごめん。みたいな?」

「したかったから…?好きじゃ…ない…」


ど、どういう意味!?




「ははっ!ごめん、うそうそ!」

「なっ…。先輩!!」



一瞬、ズキッとしちゃったじゃん…。




「斗馬はちゃんと、あみのこと好きだと思うんだけどねぇ」

「え…?」

「あいつのことだから、何か理由があると思うよ。あ、ほら、なんか来た」

「なんか?」



背中の方から、「あみちゃーん」って声が聞こえる。

「一希先輩!?」