小部屋に戻り、また椅子に座る。

「検事・・・、次は・・・殺人事件のようです」

「もぅやだよ~、なんか今日仕事多くない?つかれた~」


  殺人犯が来るまで、あと20分。

「前田 公平 34歳 サラリーマン。 海野 大輔 35歳を殺害 間違いありませんね?」

                         「・・・」
「間違いありませんよね?」

                         「・・・」

「あの・・・」
                         「・・・」

黙秘し続ける彼。

_______「もう!!何もいってくれない!!」

 彼が去ってから、金沢はため息をついた。

「言ってもらわないと・・・こっちも」

金沢に激しく同意した。そもそも私たち検事は、警察が目をつけた犯人またはそれらしき人物の起訴 不起訴 を決める。
 要は彼らの人生を壊してしまう立場にある。
それだけ、重大な責任がある。だからこそ彼らの話を聞き、それをうらず家無くてはいけない。
 
  検事 それは、相手の話を聞く仕事なのだ。

海野殺人事件のファイルを開く。

 「 前田 公平 34歳 サラリーマン。 海野 大輔 35歳 前田の同僚であり
 ・・・そうとうな出世株だったみたいですね・・・。」

 「仲は良くなかったみたいだね。嫉妬とかかな・・・?」

「そう・・・ですかね?」

へっ?っとこっちをみる金沢。

 「だってーーー・・・「金沢ぁーー、一条ぉーーー 今日飲み行くぞぉ!!!」」

私の話は、有村さんの声で幕を閉じた。