「それでは・・・、河野 美和 42歳 主婦

 丸山スーパーで カレールー305円 ふりかけ250円ーーー・・・」

容疑を読んでいく。

 「ーーー・・・間違いありませんね?」
 
 チラリと 彼女を見ると・・・、やっぱり。
 金沢ほうっとりと見つめていた。
金沢のほうはといえば目のやり場に困ってキョロキョロしている。

「間違いありませんね?」

もう一度、問い直すと、「は~い」と甘ったるい声を出した。
お世辞でも、河野 美和は綺麗とは言えない。ゴワゴワした髪に厚化粧でも隠せないしみやらなんやら。そして太めのボディー。

「な・・・なんで万引きしっしたんですか?」

金沢はアワアワしながら聞く。

「え~、決まってるじゃない。お金がないからよ~、おばさん忙しくって!!
でも、つかまってよかったわ~、こんなかわいい子ーーー「質問にお答えください」・・・・チッ」

ギロリとこっちを睨む河野。

「ホールインワン」

そうつぶやくと、お菓子の袋に手を伸ばす金沢は手を引っ込める。

「河野さん、あなたは最近ホストクラブに通い詰めていたそうですね?」

そう、わたしが聞くと・・・。

「そーよ?でも、この検事さんのほうがタイプね?  ん?」

まるで・・・、ライオンに食べられそうな小動物な目で助けを求める・・・検事。

「んっ、質問に答えてください」

フォローに入る。

「あーーはいはい」

「お・・お金が無かったんですか?」

「そーよ、そういうこと」


数時間後・・・・、「怖かったぁ、食べられそうだったぁ、一条くんー!!」

涙目の金沢と部屋を出てコーヒーを飲んでいた。大部屋には、相原、海城、伊々田、有島さんが集まっていた。

「拓也、うらやましーな・・・ぷはっ」

「翔ぅ!!笑い事じゃないって!!」

「いい加減にしないか!! 金沢 相原!!」

はーっとため息をついた。

「大変だね~、一条ちゃん」

「・・・ホントに」