盤条があたしになにか言おうとしたときちょうど担任があたしたちを呼んだ。


心の中で嗤いながらオドオドしたまま盤条に


「あ、呼ばれましたね、い、行きましょう」


と言った。


すると盤条は悔しそうにしながらもガラッと扉を開けた。


その瞬間教室中がざわざわとしだした。


下を向きながらあとに続く。


「えー今日からこのクラスに転入してくることになった盤条と岼埜だ。二人とも自己紹介」


「…盤条愛(バンジョウアイ)」


盤条はそれだけ言うと窓の外をジッと眺め始めた。


教室内にNo.1とNo.2の誰一人いなかったからだろう。


「あ、えと、ゆ、岼埜春です、よろしくお願いします」


オドオドしながらそう言うとクラス中が


「なにあいつ優等生?」

「優等生ぶってるだけだろ」

「志望校にでも落ちたんじゃねぇの」

「あーいう奴って俺らのこと見下すからうぜぇよな」


などと様々なことを言われていた。


あー阿呆らし。


なに劣等感抱いちゃってんの。


そんなんだから見下されんだよ。


見下されてることに気づいてるのにどうして見下されるのか考えもせずただ相手を嫌う。


本当につまらないな、こいつら。