あたしの価値を落としてくれんじゃねぇよ。


あんたがその格好で秘龍と闇鬼に近づくとイコールであたしが近づいたことになんだろーが。


あたしに迷惑かけてんじゃねぇよクズ女。


「さて岼埜、盤条(バンジョウ)、教室行くぞ」


どうやらこの女は盤条というらしい。


特に自己紹介などをさせてもらったわけでもないため名前を知らなかった。


担任はこいつがあの銀狼だと思い込んでいるからさっさと離れたいのだろう。


なんでこんな下手くそな変装に騙されるかな…。


あたしにやられた奴らなら一発でこいつが偽物だって気づくのに…。


生憎そいつらは殆どが意識不明だ。


この間逃がした奴も見かけねぇしなー…。


「二人とも、呼んだら入ってこいよ」


などといろいろ考えているといつの間にか教室に着いていたらしく担任がそう言って教室へ入っていった。


「…あんたさ、なんでこの学校来たわけ」


すると突然隣から話しかけられた。


「………は?」


「あんたみたいな優等生が来るようなとこじゃないでしょ」


「え、と…志望校に落ちて…仕方なく…」


オドオドと怯えたように言うと盤条は舌打ちをして

「No.1の秘龍とNo.2の闇鬼に近づいたら女のあんたでも許さないから」


やっぱりな。

そんなことだろうと思ったよ。

ま、端から関わる気はねぇしな。


「No.1とNo.2ってなんですか?成績ですか?」


だからあたしは軽くはぐらかしておいた。


そろそろ担任が呼びそうだから。


「あんたね…!」


「おーい二人ともー」