私は席に座る。


隣が男子じゃないといいな...。



私がこんなにも男子を嫌うのには理由がある。
それは中学生の時に植え付けられた“恋愛トラウマ”が原因。

思い出すだけで吐きそうになる。


「あっ、さっきのぶつかった子!」

隣から声がした。

「あ...。」


そこにはさっきクラスを見ていた時にぶつかった人がいた。


どうやらその人の席は私の隣。


どうしよう...。
早くも席替えしたい...。

「一緒のクラスなんだね!
俺、桐本櫂。よろしく!」

彼、桐本くんは無邪気な表情で笑った。
さっきの優しい笑顔だ。

もし、いくら桐本くんがいい人でも仲良くなんてなりたくない。

拒絶しなくちゃ。


「あ、あの、自己紹介とかいい。
別に仲良くなろうとか...思ってないから」


これで、嫌いになってくれないかな。