これは恋ですか

私達は周りの目もあるから次の駅で降りることになった。

二人で椅子に腰掛ける。

すごく...怖かった。
今でもがたがた体が震えて仕方が無い。

「大丈夫?杉原さん。」

いつものように微笑む桐本くん。

「だ、大丈夫。
もう、いいから。」

そう言って私は椅子から立った。

でも、がしっと腕を掴まれた。


「大丈夫なわけないでしょ?
なんで強がるの。それとも...こういうことも慣れてるの...?」


真面目な目にどきっとしてしまう。


こんなこと慣れてるわけない。
すごく...怖かった。

もう電車なんて乗れないほど怖かった。

「慣れてなんて...ない。
だけど、男の人には頼りたくないのっ!」

思わず涙が溢れてくる。