これは恋ですか

「おい、おっさん。なにやってんだよ」

その時、男の人が私の尻を触っていた手をがしっと掴んで上にあげた。

そこにいたのは桐本くんだった。

「桐本...くん?」

なんで...?
さっき別れたじゃん...

「何だね君は!手を離しなさいっ!」

どうやら私を触っていたのはおじさん。

顔を真っ赤にしている。


「は?何言ってんの。お前...痴漢してたろ。
こいつに二度と近づくな。クソじじぃ...」


桐本くんは穏やかな人だと思ってた。
勝手だしよくわかんないし、1日、いや半日しか知らないけど穏やかな...
そんな人だと思ってた。

だけど今の桐本くんはすごい顔でおっさんを睨んでいる。

「ひぃ...!」

おっさんはいそいそと車両を移動しようとしたけど、係員に捕まった。