泡影の姫

「それだけの…ために?」

私だけの「世界」のほんの一部だけど、湊に伝わって欲しい。
私は言葉を紡ぐのが下手だから、溢れ出した気持ちの一欠片さえも言葉になんてできないけれど。

どうか、湊が自分の「世界」を歩き出すきっかけになって欲しい。

彩愛さんの代わりではなく、また彩愛さんに捕われることもなく。

湊が、湊として、湊の世界で生きて欲しい。

「私たちはみんな一人だけど、それじゃ寂しいから誰かに依存するんだよ。きっと。でもそれで自分が壊れちゃったら意味ないじゃん」

大切な何かを、守るために。

大切な誰かと、向き合うために。

お互いを必要とする依存関係で、どうか自分自身を壊してしまわないで。

湊は、どうか湊のままでいて。

「疲れちゃったら、楽しいことから、始めようよ。そして元気出たらまた歌って?」

私の気持ちは、伝わるだろうか?

彼の中に、届くだろうか?