泡影の姫

「おい…?」

覚悟を決めなくてはいけない。

湊と向き合う覚悟。

私は、私があの日湊に救われたように、湊を救いたい。

私が。

湊を。

「ねぇ、人はきっと……」

顔を上げた私は湊から目をそらさない。

プールの水なのか、それとも自分自身の涙なのかがぽたぽたと降ってくる。

それは私の腕に、足に、そしてプールサイドに落ちていく。

一緒に私の気持ちも零れていくみたいだ。
だから私はそれを拾い上げて伝えなくてはいけないんだ。

「死ぬまで一人なんだと思うんだ」

重たくだるい腕を伸ばし湊に触れる。
頬は濡れて冷たくなっていた。

彼から伝う滴が触れた私の手に落ちてくる。
落ちてくるもののほんの一滴分でいいから、湊の言葉が拾えればいいのにと思った。

それがたとえ私に向けられた言葉でなくてもかまわないから。