「で、プールサイドで何する気?」
「そりゃあもう、泳ぐしかないでしょ?」
準備体操を始める彼を横目に捉えながら、そっとプールに手を入れてみた。事故以来、一度も触っていなかった、私のフィールド。
もう、戻ることのできない世界がここに横たわっている。
「水着は?」
「着衣泳」
「溺れちゃうよ?」
湊は何にも分かっていない。
服は水を吸って重くなり、泳ぐどころか水に捕らえられてしまう。
水の優しさも、怖さも、私の体に染み付いている。
ああそう。
何でもないといわんばかりに気のない返事を返すと服を脱ぎ、パンツ一枚で水の中に飛び込んだ。
私、一応女なんだけど?なんて思ったけれど湊の目に、私は映っていなかった。
湊はただやりたいようにやるだけなんだ。
湊は泳ぐのではなく、ただばちゃばちゃと音を立てて水遊びを始めた。
街中は人工的な光や、さまざまな音であふれていたけれど、ここには月明かり以外に光源はなく、私たちの声以外音はない。
学校のプールは浅く、足がつくはずなのに、暗い闇にまぎれて底が見えなかった。
夜の街は、人一人など簡単に飲み込んでしまいそうだと思っていたけれど、そこに横たわる暗闇はもっと深くまで引きずり込んでくれそうだった。
引きずり込まれてみたかった。
手から伝わる水の冷たさが心地よく、湊の水遊びがとてもうらやましく見えた。
できるんじゃないだろうか?
ふと、そう思った。
「そりゃあもう、泳ぐしかないでしょ?」
準備体操を始める彼を横目に捉えながら、そっとプールに手を入れてみた。事故以来、一度も触っていなかった、私のフィールド。
もう、戻ることのできない世界がここに横たわっている。
「水着は?」
「着衣泳」
「溺れちゃうよ?」
湊は何にも分かっていない。
服は水を吸って重くなり、泳ぐどころか水に捕らえられてしまう。
水の優しさも、怖さも、私の体に染み付いている。
ああそう。
何でもないといわんばかりに気のない返事を返すと服を脱ぎ、パンツ一枚で水の中に飛び込んだ。
私、一応女なんだけど?なんて思ったけれど湊の目に、私は映っていなかった。
湊はただやりたいようにやるだけなんだ。
湊は泳ぐのではなく、ただばちゃばちゃと音を立てて水遊びを始めた。
街中は人工的な光や、さまざまな音であふれていたけれど、ここには月明かり以外に光源はなく、私たちの声以外音はない。
学校のプールは浅く、足がつくはずなのに、暗い闇にまぎれて底が見えなかった。
夜の街は、人一人など簡単に飲み込んでしまいそうだと思っていたけれど、そこに横たわる暗闇はもっと深くまで引きずり込んでくれそうだった。
引きずり込まれてみたかった。
手から伝わる水の冷たさが心地よく、湊の水遊びがとてもうらやましく見えた。
できるんじゃないだろうか?
ふと、そう思った。



