ふと、私の頭に重みを感じる。
湊の手が私の頭の上に置かれていた。そのまま彼はポンポンと軽く頭を撫でる。
「……まぁ、無理して笑うな」
湊はそうつぶやいた。
今どんな表情をしているのか自分では分からないけれど。
「別に、いつも通りだし?」
平静を取り繕って私はそう言い返す。
「ハイハイ♪いつも通りの仏頂面かっ。それは悪うございました」
にかっと笑った湊に軽くあしらわれると言い返す言葉が見つからない。
湊の言う通り私は毎晩めちゃくちゃ不機嫌な顔をして近寄るなオーラを出していたのだ。
それなのに近づいてきた湊は相当の物好きなのかもしれない。
「んじゃ、もっと楽しい事しましょうか?」
湊はギターケースを担いでさくさく歩き出した。
数時間前まで、蹴り飛ばしたいくらい憎らしかった背中の後ろを歩くことに、もはや何の抵抗も違和感もない。
私意外と順応力高いな、なんて自分の新たな一面を発見する。これが日常で活かせていたら私は今よりもう少しだけ前向きに生きていたかもしれない。
何を企んでいるのか。
それとも何も考えていないのか。
上機嫌な湊は、私に聞こえるくらいの声量で、歌を囁きながら歩いていた。
私は始終それを聞いていて、他の誰の声よりも、彼の声が耳になじむなぁとぼんやりそう思っていた。
湊の手が私の頭の上に置かれていた。そのまま彼はポンポンと軽く頭を撫でる。
「……まぁ、無理して笑うな」
湊はそうつぶやいた。
今どんな表情をしているのか自分では分からないけれど。
「別に、いつも通りだし?」
平静を取り繕って私はそう言い返す。
「ハイハイ♪いつも通りの仏頂面かっ。それは悪うございました」
にかっと笑った湊に軽くあしらわれると言い返す言葉が見つからない。
湊の言う通り私は毎晩めちゃくちゃ不機嫌な顔をして近寄るなオーラを出していたのだ。
それなのに近づいてきた湊は相当の物好きなのかもしれない。
「んじゃ、もっと楽しい事しましょうか?」
湊はギターケースを担いでさくさく歩き出した。
数時間前まで、蹴り飛ばしたいくらい憎らしかった背中の後ろを歩くことに、もはや何の抵抗も違和感もない。
私意外と順応力高いな、なんて自分の新たな一面を発見する。これが日常で活かせていたら私は今よりもう少しだけ前向きに生きていたかもしれない。
何を企んでいるのか。
それとも何も考えていないのか。
上機嫌な湊は、私に聞こえるくらいの声量で、歌を囁きながら歩いていた。
私は始終それを聞いていて、他の誰の声よりも、彼の声が耳になじむなぁとぼんやりそう思っていた。



