泡影の姫

「何で、カラオケに行かないわけ?っていうか湊は何がしたいわけ?」

「18歳未満は22時以降カラオケ屋さんには入れません。どっかの誰かのせいで、俺まで入れないわけだ。ちなみにここも18歳未満アウトだから、万が一補導員が来たらダッシュで逃げるからな。逃げ切れなかったらおいてくからな?つーわけで今の内に休んどけ」

私はあんまり長距離走れないんだけどと反論しようかなと思ったが、湊はたぶん私を置いて行かないと分かっていたので素直にうなずくことに留めておいた。

湊は、一体いくつなんだろう?

今の口ぶりだと18歳以上なのか?

身分証明を見せるでもないし、入ってしまえばこっちのもんだと思うけど、入ったことなんてないからよく分からない。

私は、本当に何にも知らなかったんだ。

ゲーセンに、こうやって来たこともなかった。
けれど、延々と百円玉を消費することに何の生産性があるのか、その意味を見出せない。