泡影の姫

とても短い一曲が終わる。
名残惜しさを残して。

「なんだっ、やっぱ祝って欲しかったんじゃん」

彼の友人がからかうように湊に笑いかける。

「誕生日ですから?ほら、バツは果たしたからもう行くからなっ」

照れたように乱暴にギターを返した湊はそのまま別れを告げてさっさと歩きだす。
いつもより歩幅が広いので、私は自然と早足になる。
少し離れたところで私が追い付くのを待っていてくれた湊は、

「あ~ハズぃ///」

ぶっきらぼうにそう言った。

「でも、楽しかった」

湊の頬が赤く染まっているのは、たぶん夕焼けのせいだけではない。