泡影の姫

「あっ、瑞希。紹介するな。こいつら」

「湊!誕生日ってホント!?」

湊の言葉を遮って食い気味にそう尋ねれば、

「あ~まぁ、一応」

バツが悪そうに視線を逸らす湊。
どうやら本当らしい。

「なんで教えてくれなかったの!?」

「いやぁ、聞かれてないのに言うのもどうかなぁって」

視線を彷徨わせる湊を見て私は頬を膨らます。
まだまだ湊のことは知らないことが多いけど、せめて誕生日くらい教えて欲しかった。
しかも事前に会う約束をしているなら猶更。

「あ~彼女怒らせた」

「女の子泣かせた~」

別に泣いてはいないが、飛ぶ野次に便乗することにした私は、

「罰として一曲!!」

と彼らを指して湊に音楽を要求する。

「アレ!?俺祝われる側じゃねぇの?」

「罰だから」

「罰だな」

「罰ね」

各方向から一様に攻められる湊は頭を抱えて、

「マジで!?」

確認するように私の方をうかがうので、

「決まりでしょ」

と笑顔でこの言い争いに終止符を打った。