泡影の姫

秋月公園には、湊が言うようにちらほら人影がみえた。

広場で走り回る子供たちと、それを見守る親たち。

仲良く手をつないで、寄り添いあうカップルたち。

たくさんの荷物やお菓子を携えてはしゃぐ学生の集団。

きっとみんな普段はこんな時間に公園にいることはないだろう。
そんな彼らを見ながら思う。

私たちは、どんな風にほかの人の目に映るんだろう?

って。

公園にいる人を見ながら、私たちのカテゴリーについて考えてみる。

私たちの間にある関係に、呼び名をつけることが私にはまだできない。

「もう少し歩ける?あっちの方が多分空いてる」

湊に促されたことでそんな考えが消える。

「うん、行こう」

〝好き〟というカテゴリーは広すぎて、厄介で難解だ。

遊具置き場から少し離れた高台は、確かに空いていて。
ちらほらいる人たちも適度な距離を保って自分たちのテリトリーを主張していた。

レジャーシートを広げてくれた湊はその上に横になる。
私もそれに倣い、空を見上げる。
普段こんな風に芝生に横になることがない私にはとても新鮮な感覚だ。

今日は月が、キレイだななんて月並みな言葉が思い浮かぶ。

「流星群かぁ~。見たことないな。そもそも星座とかも全然分かんない」

「気にすんな。多分、ここにいるほとんどの奴分かってねぇから」

そういうと湊はからからと笑った。

話題の流星群。

それに踊らされる私たち。

その様はなんだか滑稽で可笑しくて。

「変なの!」

こんな一日が、私はただ楽しくて。
それだけで、気持ちが満たされていく。

泳いでいるときと同じ充実感を、こんなところで得られるなんて思わなかった。