「意外と、意外とな…？
マジで俺、亜華里のこと好きだから。だから…」


それからの言葉は涙が滲んで視界がぼやけて空汰の顔を良く見ることができなかった。


ただ、ただ覚えているのが…


私にはもったいない過ぎるくらいの言葉。


「…じゃぁ早く家入れ。な？」


「うん…っ」


涙を服の裾で拭きとってくれる空汰。


…優しいなぁ…。


「ありがと…服が…」


「いいよ、別に。亜華里の涙だし…」


そう言って耳をいじりながらそっぽ向く空汰。


ありがとう、ありがとう…ありがとう。


もう私何もいらないよ…


空汰の１つ１つの言葉を聞くだけで私は幸せだから。


「じゃ、また明日ね！」


手を振ると、


「ああ」


手を振り返してくれて、ゆっくり帰る空汰だった。