校門ではもう空汰はすっかり待っていた。


「ごっごめん!」


「良いよ、部活終わったとこでそんなに待ってねぇし」


「う、うん」


な、なんか凄く照れくさい。


どうしてだろ…


無言の沈黙がすっごい照れくさい。


「じゃ、帰ろっか」


「うん!」


歩き出すと意外と話は弾んで、


やっぱりあっという間に私の家だった。


「…じゃあな」


「うん…あ、」


「ん?」


「あの…ぼーっとしてたのっ」


「?何が?」


あ、そうなるよね…!


まだ何か言ってなかったし。


「素っ気なかったんじゃなくて…ぼーっとしてて…」


「あ、それのこと」


また顔を赤らめる空汰。


そんな仕草さえ愛おしい。


「ずっと、空汰の事考えてて…振られちゃうんじゃないか、とか…ホントに付き合ってるの?とか…。」


「…うん」


「私ね、最近って言ったら最近なんだけど…
2年生の先輩と付き合ってて…本気の恋なんてしたことが無かった私には…とてもとても大切だったの」


空汰は無言で、


ただただ話を聞いていてくれた。


「でもその先輩…メールでだけなんだけど…その…
付き合ってすぐ性行為を拒まれて…。もちろんずっと断ってたけどね?」


「…そいつ殴る」


「え!?いいよ、そんなことしちゃ空汰が悪くなるじゃん…!」


「でも」


「やめて!ね…お願い…」


「…亜華里が言うなら、まぁ」


「それでね、私から別れを告げたんだけど…。
もし、もし空汰の時もあっけなく終わっちゃたら…振られたら…とか考えていたらぼーっとしてて…。」


「…あのなぁ、」


そして、真っ直ぐこっちを見る空汰。


私も空汰の方をしっかり見た。