「あ、…えっと、え?」


流石に動揺を隠しきれない松村さん。


私だってもう何が何だか分かんない…。


どうしてこんな恥ずかしい告白になったんだろう…。


もっとイイ感じに告いたかった…。


「早くもう振って」と言おうとした時、同時に声が重なった。


「今は言えない」


「え…?」


【今は言えない】…?


“今は”って…


どういうこと?


「え?どうして…言えないの?」


「いや恥ずいだろ流石に!こういうのは二人で話すもんじゃね?」



そ、そっか…


そうだよね。恥ずかしい、よね。


私だって逆の立場だったらやだもん。


「じゃ、じゃあ…また。…授業始まるし」


「おう。…ちょっと、帰り残ってくれる?」


「うん…」


まだ…


まだ希望はあるってことかな?


でも私なんかきっと…きっと振られちゃう…かな…


だって話すようになったのは最近だし、そんなに言うほど気にはされてなさそうだし…。


「はぁ…」


「あーかり」


「穂波?」


「おめでとう!」


「うん。もう告うだけ告ったしもう振られても良いや…」


「そんなマイナスなこと言わないでよ…(笑)」


ホント、そうなんだけどなぁ…


私的にはも未練は無いんだけど…。


そして帰りまでの時間。


その時間はとても早く感じた。


それも凄くあっという間のように感じた。