翌日。


この日、私は決心した。


私は、この気持ちを――――――――…



理科の時間だった。



「はい、じゃあ黒板に答え書いてくださいー」


「はーい」と班の代表の人が書きにいく。


私もその中の一人だった。


そして…


松村さんもその一人だった。


「チョークいる?」


という、松村さんの声が聞こえた。


「ううん、持ってるからいいよ」


そんな声も聞こえた。


丁度私はチョークを持っていなかったから、


「使う!貸して!」


と声を出してしまった。


「うん、いいよ」


と、松村さんは渡してくれた。


そして、私はやっと気がついた。


松村さんがはじめに渡そうとしたのは…


愛ちゃんだった。



私…空気読めなかった!?


絶対「おれ愛に渡したかったんだけど。コイツじゃないんだけど。」とか思われているよ…。


「ご、ごめん…」


つい、そう誤ってしまった。


そうして決めた。


私は―――――――


決心した。



きっとまだ松村さんは愛ちゃんのこと好きだし、愛ちゃんだってきっと…。



これが私の答え。


「ありがとう!」


さっきの“ごめん”は無かった事にする。


私に【恋情】を教えてくれてありがとう。


私を大人にしてくれてありがとう。


恋は、【伝える】だけじゃないんだね。


きっと思いすごしかもしれない。


さっきの事だけでものすごく大げさかもしれない。


だけど…


きっと松村さんにとって私の存在はもう大きくならない。


だから私は…



【告わない】―――。