次の朝。


「おはよう!」


いきなり松村さんに挨拶をされた。


「おはよう」


「おお!挨拶してくれた!」


「え?」


「どうして?」と聞きそうになったけど…我慢。


だって、


これ以上松村さんを知ってしまったら本当に私…。


「亜華里、」


「穂波。なーに?」


「次の技術金工室だよ?」


「分かった!じゃあ行こっか」



教室にはまだ松村さんがいる。


気になる。気にならない。気になる。


気にならない。


…気になる。


「もう知らない…!」


「え?」と、穂波が聞く。


「ううん。何にも」


少し足取りを速めて、


金工室へ向かった。