「こんにちは!」


優先輩や絵理先輩に挨拶をする。


…もちろん、


怜先輩にも。


「ひさしぶりーっ!亜華里ちゃん香織ちゃん穂波ちゃん!!」


夏休みが明けても絵理先輩のハイテンションは変わりは無かった。


「あれ?歩夢ちゃんは?」と、優先輩が聞く。


「あ、掲示係で」


「ああ~!大変だね」


目が合わせられない。


怜先輩と…。


あいにく向こうも合わせる気はないようで…


気が少し楽になった。



――――――でもその後、


見たくもない文章が目に入ってきた。


怜先輩の字でない。きっと絵理先輩の字だ。


だけど…


そこには確かに書いてあった。


[怜、亜華里ちゃんの事マジで好きだって!]


乱雑にちぎられた紙切れ。


そこには確かにそう書いてあった。


・・・信じられない。


そう本心で思ってしまった。


本当に?本当になんですか?


でも…


もう私は


「戻れない…」


「ヒュー!」と絵理先輩は言っている。


付き合う前ならどんなに嬉しかったか。


でももう戻れないんです。


切られた糸はもう2度とくっつかない。


大きな接着剤がない限り、ね。


でも、先輩?


私達には、いや…


“私には”、もう一度くっつけるくらいの想いがありません。


だからもう…



うつむいて、結局何も返さなかった。


冗談で穂波が好きですよー!って書いたくらいで、


私の想いは一切書いてない。



この日決めた。


ハッキリする、と。


けじめを付けようって。