それからの夏休み、平平凡凡と暮らしていた。


暇な日は香織といたし、


家族で香川県まで旅行も行った。


それでも心の片隅にあるのは…


【別れ話】。


言いだせない。


言いだせない自分が大嫌い。


毎日毎日心の中で先輩と惨めな自分を殺している。


明るい自分を作る。


誰にも心配されたくなかったから。



夏休み最終日。


結局言いだせなかった。


そのまま―――――――――


光の速さと言えるくらいで


部活初日がやってきた。