7月。

季節はもう夏と呼べるくらいに暑かった。


私はパソコンを禁止されていたから先輩とはメールをしていなかった。


実は少しホッとしていたのもあった。


もしメールをしていたらまた…そういう話になりかねなかったから。


ちなみにまだこの話は誰にも相談していない。


…自分だけで終わらしたかったから。


「…ずっと言えないでいるんだけどね…」


「何の事?」


と穂波がこっちを向く。


言えないよ…。


ふてぶてしく頬杖をつきながら絵を描く。


いつものように扇風機だけの部室は暑い。


おまけに吹奏楽部の音がよく聞こえてうるさくてイライラする。


それに一番辛いのが…


「…」


怜先輩がいつも道理普通なこと。


どうして、いつもメールであんなこと言っているのにそんなに普通でしていられるんですか??


私は…できない。


目もあまり合わせられないでいた。


だから尚更最近メールが出来なくて運がいいとも思ったりもしていた。


「暑いー…」


そろそろ夏休み。


つくづくホッとする自分。


そんな自分も大嫌い。



言うなら言わなきゃ…


『別れましょう』って。


ハッキリしなきゃ…。


しないといけないのは自分が一番分かっているのに。


私から告白したのもあって、言いづらいのもあったし…


それ以上に何故か怖かった。



そのまま言いだせない日々は言葉に出来ないほどはやくて。


あっという間に夏休みだった。