ガタンガタンと地下鉄が揺れる。


静かで、いろんな事を考えてしまいそう。


どうして怜先輩はあんなに優先輩に…とか。


多分、恋愛感情とかはなさそうだったけど…


それでも、なんか…


モヤモヤチクチクした。


「あ、あの、怜先輩…」


「ん、」


思い切って隣にいる怜先輩に話しかける。


「メールアドレス、教えて下さい!ケータイ持ってなくてパソコンメールですけど…」


「メ―ルアドレス交換しましょ!」


歩夢がケータイを出す。


「貸して」


先輩が手慣れた手つきで歩夢のケータイに自分のメールアドレスを入力する。


「ん。これでいい?」


「はい!」


「…」


どうしよう。逃してしまった…


もう言いだせないよ、勇気も使いきったよ…!


「メールで先輩のアドレス送るね!」


と歩夢が言う。


…え!?


「あ、あああ歩夢!」


「ふふんっ」


ありがとう…ありがとう!


こうして本当に本当の遠足が終わった。