「好き」と言いたくて。

「西園、乗れ。」











黒谷の車到着。













…わぉ。













高そうな車だよ、コレ。













やっぱり公務員は違うな〜。













アレだよアレ。












危険感じたら止まるやつ。












こんな車を黒谷が持ってるなんて…












「死ねばいいのに。黒谷なんか。事故って」












「あ゛?なんて言った?」














しまった。口が滑った。













「いや、何でも?さっ、出発してよ早く、早く。」













急かしてしゅっぱーつ。














CDプレーヤーから流れてくるのは












BEATLESだった。














あ…BEATLESだ。














あたしのお爺ちゃんが好きなんだよな。













「BEATLESじゃん。黒谷、こんなの聴くんだー」











「こんなのってBEATLESに謝れ!BEATLESいいぞ?」












BEATLESいいぞ?って言われても。















有名なのは知ってる。











それなりの曲も知ってる。












メンバーはあまり知らないんだ。














洋楽興味ないから。あ、ガガ様は別。














「へー、そうなんだー。安全運転でね?黒谷。」












バコッ















…痛い。













教師が生徒を殴ったよー。












これ問題だ。校長に言おー。














そんなワルじゃないから、言わない














あたし、いい子演じてるもん。











まぁ、授業中聞いてない奴が言えないけど












いい子、なんてさ













「事故るか!アホッ。さ、もーすぐ、着くぞ。」













あー、あたしの家が見えてきた。













「黒谷、ここでいいよ。ありがと」












キキィッ












車は止まった。













「ホントか?それじゃ、明日な。西園」












「うん、じゃーね」













黒谷にお礼を言って家へと入った。