「覚えてたのか…」
「え?なんて?」
「いや、別になんでもない。ほら、いくぞ」
「え?どこに?」
「どこって家だろ、ばーか」
「な?!ばかって言うな!そりゃりくよりはばかだけど、わたしだって一応五位以内に入ってるんだからね!」
「でも俺には負けてる」
「むかつくー!」
「はいはい」
言い争ってるとあっという間にりくの家に着いた。
あ、りくの家のほうが学校から近い。
「じゃあね、りく」
「待てよ。送ってく」
「送ってくって…歩いて三十秒の距離だよ」
「うーん。それもそうだな。じゃあな」
あ、家の中に入っちゃう。
もう少し話したかったのに。

