「んー、でもな、ちよちゃんはお友達と一緒だし、儚田さんも待たせてるからなー」


はか..なた...さん?


「ぼく、あの人苦手だもん」


春斗くんはしょんぼりしながら言った。


「こら、そんなこというんじゃない!儚田さんは春斗のために弁当まで作ってきてくれたんだぞ!」


そんなこと私の前で言わないで....


儚田さんって言う人はきっと...あの日一緒にいた人。


「ち....ちよ、大丈夫?」


ののちゃんは私の近くで志島さんには聞こえないくらいの大きさで声をかけてくれた。


「だ、大丈夫だよ、ののちゃん!」

私はののちゃんに笑ってみせた。