「おじさんだなんて、まだ若いじゃないですかー。私は佐倉伎 千夜です。高2の17です。」

志島さんっていうんだ。
25歳、大人だなー。私と8歳も違うのか

「ちよちゃんか、可愛い名前だね!」

え、か、かわいいって言った?

「そ、そんなことないですよ。」

「照れちゃって可愛いね。じゃあ、数学どこがわからないの?」

「あ、ここです」

「ここはまずAとBを求めて、それからXにBを代入して、YにAを代入してそれからここをこうしてこうしたら、ほら!」

うわー、すごい。
私さっきまであんなに悩んでたのに...

「それじゃ、ここも同じようにやってみて」

「はい!」

えっと、ここをこうして、ここでここに代入....え?解ける!

「すごーい、できた。」

「うん、ちよちゃんできる子だね。一回教えただけでちゃんと解けるようになってる。」

「志島さんのおかげです!ありがとうございます。これでテスト乗り越えられる気がします!」


それからしばらく数学を教えてもらった。

「あ、もう17時かー、そろそろ帰らなきゃいけない時間だな」

気がつけば閉館時間の30分前だった。