煉乃さんが向かった先は屋上だった。
そして振り向きもせず、
「なんでついて来たの?」
と言った。
いつから僕が着いて来ていたことに気づいていたのだろう。
「ま、いいや」
そう彼女は言い、紙パックの紅茶を飲みながら校庭をぼんやり見つめている。
「あんたさあ、人の過去とかに興味ないんだね」
振り向きもせず、煉乃さんは話し続ける。
あんたと呼んだことに対して少し驚きつつも、
「えっと・・・ただ噂話とか好きじゃなくて・・・」
と言うと
「噂話ほど面白いものってないのに」
と言い、クスっと笑った。
煉乃さんがどんな顔して笑ったのか顔が見えないからわからないけれど、きっと複雑な表情をしているだろう。
「あたしのこと救うだけ無駄だよ、やめときな。」
煉乃さんはそう言うと、ようやく僕の方へ振り向いた。
少し機嫌が悪そうな顔をして、飲み終わった紙パックを片手で潰して、ポイ捨てし、その場を去った。
煉乃さんが捨てた紅茶の紙パックを拾い、去って行く彼女の後ろ姿をぼんやり見つめた。
こんな人なんだ・・・想像していたのと全然違い、少し頭が混乱していた。

