新学期とかめんどくさ。
まだ重たい瞼を開け、寝ぐせのついた髪を整える。
女って化粧しなきゃなんないしほんとめんどくさい。
そのくせ男って楽だよなーすっぴんで外出れるんだから。
化粧品代だけじゃなくて時間も浮くし。
「つむぎーご飯食べないの?」
お母さんの声が聞こえる。
朝からうっせーな。食べてる余裕はねえよ。つーか早く起こせつったろ。
いらなーい!行って来ます!
少し小走りで学校へと向かう。
自分の名前を速攻探す。
うっわ、北島とクラス一緒かよ、うぜー。
山本舞香もいるしちょーめんど。
ため息をつき、クラスへと向かう。
ギリギリ間に合ってよかったけど、もう疲れた帰りたいだりい。
息を整え、右を向くと、隣の奴と目が合った。
目合っただけで驚いてるんだけど、何こいつ?
女に慣れてなさそ。童貞だろきっとこいつ。
よろしくねっと女の子っぽく言うと、奴は頬を少し赤く染めて、
よ、よ、ろしくっ
と言った。
うける。こいつ早漏そう。
笑いを堪えるために、また机に突っ伏した。