次の日 古谷が
涙目でやってきた。
あたしは 警察帰りで
これからの話をしてる途中だった
『長谷川… 』
「古谷」
古谷は震える手であたしを抱きしめた
『泣いても…いいんよ…?』
「古谷が泣きそうじゃん」
『そんなこと…』
「あたしね 田舎に行くかも。」
『え』
「最後の最後に ここで誰かと
仲良くなれてよかったよ」
抱きしめてくれた古谷の手を
そっと 離した。
『長谷川 俺さ』
「ごめんね、古谷」
多分 これは初恋だよ
「ありがとう」
だから涙を溜めて 言ったんだ…
『っ長谷川!俺の家住めよ!』
「許さないよ。お母さん」
また抱きしめてくる 古谷
「それに あたし お婆ちゃんの家
行くんだぁ…」
『そんな… 』
「ありがとう 古谷」
あたしは 古谷から離れた
古谷は 泣いてたけど
あたしは振り返らなかった

