お風呂から出て、寝室へ行くとスースーと寝息をたてた蒼がいた。
「…寝ちゃった」
蒼の熱で布団が湯たんぽを入れたみたいにポカポカだった。
「………季蛍」
「あれ?…起きてたの?」
「…うん」
「……」
「季蛍も風邪移るよ?俺あっちの部屋で寝る」
「…いい、やだ、隣で寝る」
ベッドの上に座って蒼を見つめると、蒼は困ったような顔をした。
「…移したくないし」
「私そこまで体弱くない!!」
「いや、でも…体………」
「弱いって言いたいんでしょ…」
「……辛いのは季蛍だし」
「やだ!隣で寝る」
「言うこと聞いて……」
「やだ」