「……季蛍こそお疲れ様」 「私なんて…普通に仕事してきただけだよ」 「………」 寝室に入ってきて、季蛍はベッドの上で体を起こしてぼーっとする俺の前に腰掛けた。 にこりと微笑んだ季蛍が何をするのかと思いきや、 「……熱、計った?」 子犬みたいに首を傾げて、冷え切った手を俺の額に当てた。 その冷え切った手が、熱のある俺にとっては気持ちよかった。