ガチャ   ドサ  






物音で目が覚めて、体を起こした。








よくなるどころか、むしろ悪くなっている。










「……はぁ」









このままじゃ明日の仕事へ行けない。












ガチャリ









「……あ、起きてたんだ。今帰ったんだけど」










妙に季蛍を抱きたくてたまらない衝動に駆られた。









だけど、疲れて帰ってきた季蛍を独占している場合でもない。











そんな衝動に駆られたのも、ドアを開けてこっちを心配そうな顔でみつめる季蛍のしぐさにあるんだろう。










「…大丈夫?ずっと寝てたの?」










いつもとちょっと立場が違う。