───「お待たせ。…9度7分、よくこれで座ってられるな」







そう言って上野先生は目の前の椅子に腰をかけた。








「…上野先生が診てくれるんですか?」









「俺じゃ不満?」









そう言って笑う上野先生。










「……いや、そうじゃないですけど」










「蒼じゃやだってか」









「いや、蒼先生…だと…緊張するんです」










「ふーん」









「………」









「いつも一緒にいるのに?」









「……蒼先生って…僕の憧れみたいなものですから」









「…そう」










「そう考えると余計に緊張しちゃうっていうか。身近な先輩に診てもらうのには抵抗があるっていうか…」