何コールかしても…携帯に出る気配なし。
やっぱり今日は忙しくて出ないか…と思いつつ、次は病院への発信番号を。
病院に行くか、家にいるか…悩んでいたからこそ、蒼に電話しようと思った。
「……」
「もしもーし?あのー?」
はっとして、電話口の向こうの声を聞けば、どうやら私はぼーっとしていて気づかなかったみたいで。
それは高熱のせいなんだけど。
「もしもし……」
「あっ。……どうされました?」
「あ、えーっと………」
「あれ、季蛍先生ですか?」
「……うん、蒼……いる?」
「あ!今いますよ、代わりますね」
「……………」
「もしもーし?」
その声を聞いて………
何故か安心してしまう。
1人ぼっちで…苦しかった戻す時間も、蒼がいればいいなぁ…なんて思っていたから。
そう思うと…頬に涙が伝っちゃって。
自分でもわかる。
私は泣き虫だ…って。


