─────翌日
果織ちゃんの病室に入ると、果織ちゃんは本を読んでいて。
「おはよー」
「あ、おはよう蒼先生」
「まだ熱が下がらないって聞いたけど」
「………」
「あれ、検温来た?」
「島内さん……まだ来てないよ」
「そっか。…………」
心配。
大丈夫だろうか……?
そう思っている矢先、ドアが開いて。
「……あ、島内さん」
控えめにドアを開けてしばらく俯いていて。
怖い………んだと思う。
「おはよう。……入ってきなよ」
「…………」
「大丈夫…だよ」
島内さんはゆっくり足を進め、俺の隣に来た。
「すみません、検温がまだで…」
「ん。大丈夫、じゃあ今計っちゃって」
………手が震えてる。
果織ちゃんに不審に思われないように、いつも通り振る舞っていたみたいだけど。
島内さん………無理しなくても…。