「その…ほら、点滴失敗してから先輩看護士にどこかに呼び出されて…みたいな?」
「あ…………具体的には更衣室で」
「あぁ…」
「先輩看護士も1人ではなくて…2人か3人ほどいたと思います。
背中は何度も蹴られて………その拍子に額まで切っちゃって…」
「酷いね。看護士のすることじゃない」
「……蒼先生…と季蛍先生しかいなかったんです、こんな面倒くさい問題…相談してすみません」
また溢れ出した涙をハンカチで拭きながら言う島内さん。
「……そんなこと言わないで。面倒くさいだなんて思うわけないじゃん」
「………」
「とりあえず…さ、その傷とかってもの、見せてもらえる?」
「あ……」
「背中だと自分で処置しようにもできないでしょ?
あのね…額も深いから。傷が」
「…そうですよね」
「背中は俺がいない方が良ければもちろん季蛍にやってもらうし…。ね?」
「………はい」
「俺たちもどうするか考えてくるから。今日はちょっと体自体どうにかしよう」
「はい…」


