「……はい」






季蛍が畳まれたハンカチを島内さんに向けて差し出す。








「ありがとうございますッ………」









「その先輩看護士に…背中と額…やられたってこと?」










「………はい」









「何それ…。特別な患者って」









若干ピリピリモードに入った季蛍は、ブツブツとそんなことを言っていた。








俺もそうだと思う。










患者に特別だの特別でないだの……地位をつけるような看護士は、もはや看護士ではない。









その上真面目にやってきている看護士に手を上げるなんて、人の扱い方が酷すぎるのではないか。










…………特別な患者










ある意味差別だ。