気温が不安定な朝。
眩しい日光に照らされる医局。
目覚めのコーヒーを飲んでいると、隣に腰掛けた高島が一言。
「…果織ちゃんの件、聞いてないですか?」
「………何?」
「昨日、夜中ナースコール押したみたいですよ、自分で。
島内さんが果織ちゃんの元へ行けば戻してたみたいで。
えーっと………………確か…」
ここらへんに、と机をあさった高島が一枚のメモを出して、
「熱は40度越えして、意識もほとんどない状態でした」
「……40度越え」
「すぐに点滴入れたみたいで、今朝の検温では38度7分…です」
「……後で見に行ってみよう」
「果織ちゃんの風邪の季節がやってきましたね」
なんて言いつつファイルをペラペラ捲っている高島。
「うーん………熱が上がらないことを祈る」
ちょうど時間になったので、外来へと向かうために医局を出た。